CTRは低下。でもCPAは81%改善。
BtoB広告で今、何が起きているのか?
最近こんな相談を受けることが増えました。
「CTRが下がっているのですが、広告効果は悪化しているのでしょうか?」
実際に、弊社で運用しているエクスリードの広告配信でも、数年間で全体のCTRは低下傾向にあります。
一方でCPAは、2022年比で約81%改善しています。
今回は、実際の数値を元に、現在のBtoB広告市場で起きている変化について解説します。
実際の推移データ
| 期間 | CPM | CPC | CPA | CTR |
| 2022年4月〜 | ¥346 | ¥208 | ¥51,910 | 0.17% |
| 2023年4月〜 | ¥371 | ¥295 | ¥28,751 | 0.13% |
| 2024年4月〜 | ¥403 | ¥326 | ¥14,915 | 0.13% |
| 2025年4月〜 | ¥404 | ¥419 | ¥9,640 | 0.10% |
| 期間 | CPM | CPC | CPA | CTR |
|---|---|---|---|---|
※CPAは2025年の計測基準へ統一して再計算
※特に2020〜2022年頃は、展示会中止やオンライン化の影響で、BtoB広告市場全体が“Web接触偏重”の状況にありました。そのため、CTRが比較的高く出やすい一方で、現在とは検討行動やCV構造も異なっていた可能性があります。
このデータを見ると、 CTRは約40%低下 CPCは約2倍 しかしCPAは約81%改善 という状況になっています。 通常であれば、 CTR低下 CPC上昇 は悪化に見えます。 しかし実際には、CPAは改善しています。 なぜでしょうか?
CTR低下=悪化ではない時代
以前のWeb広告では、
- CTR
- CPC
- 最終クリックCV
が重視されていました。 しかし現在、広告業界全体が大きく変化しています。
特に近年は、
- 誤クリック対策
- MFA(Made For Advertising)サイト排除
- Viewability重視
- Attention(実際に見られたか)重視
の流れが強くなっています。
その結果、 「クリックされやすい広告枠」 より、 「実際に見られる広告枠」 が重視されるようになっています。
“クリックされやすい”と“効果がある”は違う
実はCTRは、 「興味」 だけではなく、 「押しやすさ」 にも大きく影響されます。
例えば、
- 記事送り導線付近
- レコメンドウィジェット混在枠
- 記事終了直後の大型レコメンド
- サイド追従の小型枠
- closeボタン付近
- モバイル下部固定
- スクロール中に誤タップしやすい位置
などはCTRが高く出やすい傾向があります。 しかし、これが本当にBtoB成果へ繋がるとは限りません。
BtoBは“今すぐクリック”しない
特にBtoB広告では、
広告クリック → 即問い合わせ
ではなく、
広告接触 → 社名認知 → 比較検討 → 指名検索 → 問い合わせ (CV)
という流れが多く発生します。
製造業や高額商材では特にこの傾向が強く、 「覚えてもらう」 こと自体に価値があります。
そのため、 CTRは低下していても、
- VTCV(ビュースルーコンバージョン)
- 指名検索
- Direct流入
- 再訪
などが増えているケースがあります。
実際に起きている変化
現在の広告市場では、
- SSP側の品質改善
- MFA在庫減少
- Attention重視
- Viewability重視
が進んでいます。 その結果、
- CTRは下がる
- CPCは上がる
- しかしCPAは改善する
という現象が発生しやすくなっています。
これは「悪化」ではなく、
“無駄クリックが減り、本当に検討するユーザー接触が増えている”
可能性があります。
BtoB特有の“仕事モード”
弊社ではBtoB配信において、 単純な属性だけではなく、
「どのような状態で広告を見ているか」 も重要視しています。
例えば、
- レシピサイト
- 飲食店検索サイト
などは、BtoCでは一般的な配信先です。
しかしBtoBでは、「仕事モードではない」 可能性が高く、成果効率が悪化するケースがあります。
逆に、
- 業界メディア
- ビジネス記事
- 技術記事
などはCTRが低くても、検討密度が高い傾向があります。
これからのBtoB広告で重要なこと
今後はさらに、
- Cookie制限
- AI検索
- Attention指標
- Viewability指標
が重要になります。
つまり、 「どれだけクリックされたか」
ではなく、 「どれだけ認識されたか」
が重要になる時代です。
海外だけではなく、日本でも議論が進んでいる
日本国内の様々な広告協会でも、「単なる広告配信数ではなく、“視認する機会(OTS)”を重視すべき」という議論が以前から行われています。
また近年は、ViewabilityやAttention(実際にどれだけ見られたか)を重視する流れが強まっており、広告市場全体が「クリック」から「視認品質」へ変化しつつあります。
まとめ
今回のデータから見えてきたのは、 「CTR低下=広告悪化ではない」ということです。
むしろ現在は、
- 無駄クリック減少
- 配信品質向上
- 検討密度向上
が進んでいる可能性があります。
特にBtoB広告では、 “クリックされる広告” より、“検討時に思い出される広告” が重要です。
CTRだけでは見えない変化が、今の広告市場では確実に起きています。