第3回 潜在顧客が顕在化する瞬間
潜在顧客が顕在化する瞬間とは?
BtoBマーケティングで“動き出すタイミング”を見逃さない
第1回では「潜在顧客をどう捉えるか」、
第2回では「なぜBtoBでは顕在顧客が少ないのか」を解説しました。
第3回となる今回は、
潜在顧客が“顕在顧客に切り替わる瞬間”
にフォーカスします。
この瞬間を理解できるかどうかで、
- 広告の無駄打ち
- 対応の機会を逃してしまう
- 営業のタイミングズレ
が大きく減ります。
顕在化は「少しずつ」ではなく「ある日突然」
多くの人は、「潜在 → 準顕在 → 顕在」と、なだらかに変化すると考えがちです。
しかしBtoBの現実は違います。
顕在化は、ある日突然起こります。
- 昨日まで検討していなかった
- 先週まで情報収集もしていなかった
にもかかわらず、突然「比較」「問い合わせ」が始まる。
これは珍しいことではありません。
なぜ突然顕在化するのか
理由はシンプルです。
BtoBでは、外部・内部の変化が引き金になるからです。
顕在化を引き起こす4つの代表的トリガー
① 組織・人の変化
- 担当者の異動
- 新任マネージャーの着任
- 経営層の交代
→ 新しい視点が入り、「今のやり方でいいのか?」という問いが生まれます。
② 事業フェーズの変化
- 事業拡大
- 新規事業立ち上げ
- 市場環境の変化
→これまで問題なかった施策が、突然スケールしなくなる瞬間です。
③ 既存施策の限界
- 費用対効果が合わなくなった
- 効果が頭打ち
- 属人化が限界に来た
→ 数値の違和感が、顕在化のスイッチになります。
④ 外部からの“気づき”
- 業界記事
- 他社事例
- 展示会・セミナー
- 広告・コンテンツ
→マーケティングが直接トリガーになるケースです。
顕在化の前兆は「行動」に現れる
顕在化は突然ですが、前兆がまったくないわけではありません。
以下は、実務でよく見られる顕在化サインです。
よくある行動変化
- 業界系の記事を読み始める
- ノウハウ・事例コンテンツを閲覧
- 複数回サイトを訪問
- 特定テーマの記事を深掘り
この段階では、まだ検索や問い合わせはしません。
しかし、「考え始めている」状態には入っています。
ここでやってはいけないこと
このフェーズでよくある失敗が、いきなり次のような訴求をすることです。
NG例①「無料相談はこちら」
NG例②「今すぐお問い合わせ」
NG例③「料金プランのご案内」
顧客の頭の中は、まだ「相談するほど困っていない」状態です。
正しいアプローチは「背中を押しすぎない」
顕在化直前の潜在顧客に必要なのは、
- 正解の押し付け
- サービス紹介
ではありません。
必要なのは、
- 判断材料
- 比較の視点
- 整理された情報
です。
「考えるための道具」を渡すイメージです。
マーケティングの役割は“引き金”を用意すること
BtoBマーケティングの役割は、顧客を無理に動かすことではありません。
- 気づきとなる「きっかけ」を作る
- 選択肢を見せる
- 顕在化した瞬間を逃さず、適切に応えていく
この3点を同時に設計することです。
成果が出る企業がやっていること
成果を出している企業は、顕在化の瞬間を次のように捉えています。
- 「今すぐ売るチャンス」ではない
- 「信頼が試される瞬間」
だからこそ、
- 押さない
- 煽らない
- 分かりやすくする
という姿勢を貫いています。
まとめ|顕在化は“作る”のではなく“迎えに行く”
潜在顧客が顕在化する瞬間は、こちらの都合では決まりません。
しかし、迎えに行く準備はできるのです。
- 日頃から情報に触れてもらう
- 考え方を共有しておく
- 信頼を積み上げておく
その結果、顕在化した瞬間に「最初に思い出される存在」になります。
次回予告
第4回:なぜ潜在顧客に広告が嫌われるのか?
“正しいことを言っているのに響かない理由”を、
心理と実務の両面から解説します。