第5回 潜在顧客→顕在顧客を生む広告設計
潜在顧客→顕在顧客を生む広告設計とは? ~実務編~
BtoBマーケティングを“仕組み”に変える考え方
これまでの回で、
- 潜在顧客の正体
- 顕在顧客が少ない理由
- 顕在化する瞬間
- 広告が嫌われる構造
を整理してきました。
第5回では、それらを踏まえて
実際にどう「広告・コンテンツを設計」すればよいのか
を、実務レベルで解説します。
まず押さえるべき前提
広告は「1種類」で完結しない
BtoBマーケティングで成果が出ない最大の原因は、
すべての顧客に、同じ広告を出していることです。
潜在顧客と顕在顧客では、
- 状態
- 心理
- 行動
がまったく異なります。
したがって、広告も役割別に分けて設計する必要があります。
フェーズ別広告の役割
潜在顧客向けフェーズ:理解を助ける広告
顕在顧客向けフェーズ:意思決定を後押しする広告
この切り分けが、すべての起点になります。
潜在顧客向け広告の設計【最重要】
目的
- CVを追わない
- 「理解・納得」を作る
KPIは“CVではない”
潜在顧客向け広告で扱うべきテーマ
望ましい:
- 課題の構造
- よくある失敗
- 見落とされがちな視点
望ましくない:
- サービス説明
- 料金
- 優位性
BtoB広告での例
- 「なぜBtoB広告は、途中で効かなくなるのか」
- 「成果が出ない会社ほど、◯◯をやっている」
- 「広告運用が属人化する3つの理由」
“答えを売らず、問いを投げる。”
なぜコンテキスト広告が効くのか
潜在顧客向け広告で重要なのは、誰に出すかより、どんな文脈で出すかです。
- 業界記事
- 課題解説記事
- ノウハウ系コンテンツ
こうした文脈(コンテキスト)の中で表示される広告は、
割り込み感がなく、嫌われにくいという特徴があります。
広告 → コンテンツの接続設計
広告単体では、潜在顧客は顕在化しません。重要なのは、広告の“続き”としてのコンテンツです。
改善のための検討が必要な流れ
- 広告⇒サービスLP(唐突さ)
望ましい流れ
- 広告(気づき)⇒コラム(理解)⇒事例・思想(共感)⇒顕在化
顕在顧客向け広告の設計
顕在顧客向けフェーズでは、考え方が180度変わります。
目的
- 迷わせない
- 比較しやすくする
- 決断を後押しする
顕在顧客向けで有効な要素
- 導入事例
- 実績
- 提供範囲
- 進め方
- 費用感
「なぜ選ぶべきか」を明確にする
広告表現では潜在と顕在を分けて考えることが大切
実務でよくある失敗が、1つの広告やLPに
潜在向け要素と顕在向け要素を詰め込むことです。
結果として、
- 潜在顧客:売り込みに感じる
- 顕在顧客:情報が散らかって見える
という、どちらにも刺さらない状態になります。
成果が出る企業の広告設計フロー
成果が出ているBtoB企業は、次の順番で設計しています。
- 潜在顧客向けの理解コンテンツを作る
- それを広告でそっと届ける
- 接触回数を重ねる
- 顕在化したタイミングで、必要な情報を丁寧に届ける
広告は「刈り取り装置」ではなく「育成装置」
KPIの考え方も変える
潜在顧客向け広告でCVだけをKPIにすると、必ず失敗します。
潜在顧客向けフェーズのKPI例
- サイトへの到達
- 指名検索の増加
“すぐに成果が見えない指標”を評価する
広告設計は「思想の翻訳」
潜在顧客→顕在顧客を生む広告設計とは、テクニックの話ではありません。
- 顧客をどう捉えているか
- どの段階に、何を届けるか
という想いを、広告とコンテンツに翻訳する作業です。
これができると、広告は
- 嫌われず
- 価格競争に巻き込まれず
- 長く効き続ける
資産になります。
次回予告(最終回)
第6回:BtoBマーケティング設計の全体像
潜在→顕在→商談→継続までを、
1枚の設計思想としてまとめます。