第6回 BtoBマーケティング設計の全体像
潜在→顕在→商談→継続を“仕組み”で回す考え方
本シリーズではこれまで、BtoBマーケティングを次の観点から整理してきました。
- 第1回:潜在顧客をどう捉えるか
- 第2回:なぜBtoBでは顕在顧客は少ないのか
- 第3回:潜在顧客が顕在化する瞬間
- 第4回:なぜ潜在顧客に広告は嫌われるのか
- 第5回:潜在→顕在を生む広告設計
最終回となる第6回では、これらをすべて統合し、BtoBマーケティングの「全体設計図」としてまとめます。
BtoBマーケティングは「点」ではなく「流れ」
多くの企業が、
- 広告
- コンテンツ
- 営業
- 商談
を個別最適で考えています。
しかしBtoBマーケティングは、1つ1つを切り離して考えても成果は出ません。
重要なのは、
顧客の状態変化に合わせて“流れ”を設計すること
です。
BtoBマーケティングの全体フロー
① 潜在顧客
② 認知・理解
③ 共感・信頼
④ 顕在化
⑤ 商談・意思決定
⑥ 継続・関係深化
マーケティングの役割は、①〜④を意図的に作ること。
営業の役割は、⑤を迷わせずに進めること。
そして経営の視点では、⑥まで含めて循環させることが重要です。
フェーズ別の役割整理(超重要)
① 潜在顧客フェーズ
- 課題を認識していない
- 情報収集をしていない
やること
- 業界課題の言語化
- 気づきを与える
売らない。評価しない。急がせない。
② 認知・理解フェーズ
- 課題に気づき始める
- 状況を整理したい
やること
- コラム
- 解説コンテンツ
- ナレッジ提供
教える。整理する。伴走する。
③ 共感・信頼フェーズ
- 考え方に共感
- 選択肢として意識
やること
- 事例
- 思想の共有
- 判断基準の提示
選ばせない。「選択肢に入る」状態を作る。
④ 顕在化フェーズ
- 解決策を探し始める
- 比較・検討
やること
- サービス説明
- 提供価値の明確化
- 導入プロセスの可視化
迷わせない。分かりやすくする。
⑤ 商談・意思決定フェーズ
- 社内説明が必要
- 失敗リスクを嫌う
やること
- 提案資料
- ROI・再現性の説明
- 実行体制の明示
価格より「納得感」。
⑥ 継続・関係深化フェーズ
- 導入後の評価
- 長期関係
やること
- 定期的なナレッジ提供
- 成果の言語化
- 次の課題の共有
マーケティングは“導入後”も続く。
成果が出る企業が必ずやっていること
成果を出しているBtoB企業には、共通点があります。
それは、
顕在顧客を「探す」のではなく、
潜在顧客を「顕在化させる仕組み」を持っている
という点です。
- 広告は刈り取るためだけに使わない
- コンテンツはCVのためだけに作らない
- 営業は説明役ではなく、意思決定支援役
この役割分担が明確です。
BtoBマーケティングは「思想の設計」
テクニックや媒体は、数年で必ず変わります。
しかし、
- 顧客をどう捉えるか
- どの段階で、何を提供するか
という思想の設計は、長く使える資産になります。
このシリーズでお伝えしてきたのは、施策ではなく「判断軸」です。
まとめ|売らずに、選ばれる仕組みを作る
BtoBマーケティングの理想形は、「頑張って売ること」ではありません。
- 顧客が自ら課題に気づき
- 自ら比較し
- 自ら相談したくなる
そんな状態を仕組みとして作ることです。
潜在顧客を育て、顕在化した瞬間を逃さず、信頼を前提に商談を進める。
この循環が回り始めたとき、マーケティングは属人化しない成長エンジンになります。
シリーズ完結にあたって
本シリーズは、
- Webコンテンツ
- 営業資料
- 提案時の思想共有
- 社内教育
あらゆる場面で使える“考え方のインフラ”として設計しています。