広告を止めると売上はどうなるのか?BtoB企業が知っておきたい広告の残存効果
広告費は企業にとって大きな投資です。
景気悪化や予算見直しの際、真っ先に削減対象となることも少なくありません。
しかし、広告を停止した場合、本当に売上への影響はないのでしょうか。
海外の研究では、広告を1年以上停止したブランドの売上は平均16%減少し、2年後には25%、3年後には36%減少する傾向が確認されています。特に小規模ブランドや成長中のブランドほど影響が大きいことも報告されています。広告を停止しても直ちに売上が落ちるわけではありませんが、時間の経過とともに市場での存在感が薄れ、売上低下につながる可能性があります。
弊社でも過去にセキュリティ関連企業のサイトで調査を実施しました。
年間約38,300人のサイト訪問者を分析した結果、広告接触ユーザーのCV率は0.8%、広告非接触ユーザーのCV率は0.5%でした。
なお、本調査における「広告経由」とは、広告をクリックしてサイトへ訪問したユーザーだけではありません。広告が表示された後に自然検索や直接訪問などを経由してサイトへ来訪したユーザーも含めています。
また、「自然検索等」として分類したユーザーは、広告のクリックだけでなく広告表示(インプレッション)も確認されていないユーザーです。(広告非接触)
つまり本調査は、「広告に接触したユーザー」と「広告に接触していないユーザー」の行動を比較したものとなります。
その調査の結果、広告接触者は広告非接触ユーザーと比較して約1.6倍(CV率は0.5%から0.8%へ上昇しており、約60%高い結果となりました。)問い合わせにつながりやすい結果となりました。
広告クリックだけではなく、広告を見た後に自然検索や直接訪問でサイトへ来訪するユーザーも確認されています。
この結果から分かることは、広告の役割はクリックを獲得することだけではないということです。
広告は、
・企業名を覚えてもらう
・課題を認識してもらう
・比較検討時に思い出してもらう
といった効果を持っています。
特に製造業やBtoB商材は検討期間が長く、広告接触から問い合わせまで数か月以上かかるケースも珍しくありません。
そのため広告を停止した直後は売上や問い合わせに大きな変化が見えないことがあります。
しかし実際には、
広告停止
↓
認知低下
↓
指名検索減少
↓
サイト訪問減少
↓
問い合わせ減少
↓
商談減少
↓
受注減少
という流れで影響が現れる可能性があります。
広告は短期的な販促活動であると同時に、将来の顧客を育てる投資でもあります。
広告予算を検討する際は、今月の問い合わせ数だけでなく、半年後や1年後の商談創出への影響も含めて判断することが重要です。
参考文献
John Dawes, Rachel Kennedy, et al.
“When Brands Go Dark: Examining Sales Trends when Brands Stop Broad-Reach Advertising for Long Periods”
Journal of Advertising Research, 2021
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.2501/JAR-2021-009
※本記事は上記論文を参考に、株式会社メイテンスが実施した広告効果調査結果およびBtoBマーケティングの実務経験をもとに考察したものです。